黒海地方:山・川・海があり、緑豊かで気候が日本に似ている。 1204-1461年まで東ローマ帝国の亡命政権・トレビゾンド帝国の首都。当時から現在まで交易港として栄えており、東北部の経済活動の中心。 見所:岩山に貼り付くように建てられたスメラ修道院やアヤソフィア博物館など、ギリシャ正教教関連建築物が多く存在。観光地として訪れる人も多い、黒海地方の中心的な県。
◆ホロン Horon ホロンは非常に急で険しい山々と黒海という、豊かで厳しい自然に囲まれた地域から生まれた踊り。手や腕を取り合って共に働く必要性を象徴し、俊敏でしなやかで素早い動きは、黒海の荒波や水の中を跳ね回るイワシの動きを連想させる。また、農業や茶の栽培も盛んなので、土地を耕したり茶摘みをしたりするような動きもある。 男性のみ、女性のみ、また男女混合でも踊られる。 トラブゾンはトルコの民族(民俗)舞踊の中で初期に飛躍的に発展し、精力的にパフォーマンスを行ってきたため、黒海(Karadeniz)=トラブゾン(Trabzon)=ホロン(Horon)の図式がよく浸透している。 ◇代表的な踊り Horon Kurma / Sıksara / Kozangel/ Eşkıya horonu / Bıçak oyunu / Hissa / Sis dağı / Sallamalar / Karsılamalar
踊りについて
◆ケメンチェKemençe / ダヴル Davul / ズルナ Zurna / ジュラ Cura ケメンチェは黒海地方特有の楽器で、ホロンを踊るときには必須。 ◇その他:女性の踊りの場合、リズムをとるためにタンバリン Tef や コップ Fincanlarが使われることもある。
楽器について
◆男女共に装身具をつける。特にMuska(お守り)やHamayil/Hamayılと呼ばれる、ドゥアー(祈願)やハディース(預言者言行録)、詩などを書いたものを畳んで入れる薄く平らな箱状のものを身に着ける。
◆女性は 縁にスパンコールの付いたYaşmakやÇömber(年配者向け)、Tepelik(Kukul:若い娘向け)などを頭に巻き、膝までの長さのFistan(長そでワンピース)を着、若い娘はYelek(前開きベスト)と長そでのKolçaklı İşlik(Cepken:ジャケットの一種)を着、年配者はÜbadeと呼ばれるCepkenかLibadeと呼ばれる袖付きのベストを着るが、現在踊りの時はどちらも省き、Yelekのみを着用、また、Yelekは元々は前開きだが、動きが激しいので留めておくことが多い。 ひざ下までのŞalvarをはき、Peştemal(白と赤の太いストライプのタオル。ここではエプロンとして使用)とKuşak(腰布)を巻き、Kaytan(タッセル付きのウールの手織り紐)で締める。Alacalı çorap(「多彩な靴下」の意)と呼ばれている手編みのカラフルな靴下をはくのが有名。靴としてÇarık(革サンダル)やYemeni、Çapulaも履く。
◆男性は Kabalakというフード付きの長スカーフのようなものを被り結び、端は垂らす。Mintanと呼ばれるゆるっとした白いシャツを着、Zıbın(またはZibun)とも呼ばれるベストを着る。Cepken(Aba:長そでジャケット)は踊るときは着ない。ベストの上から飾り片のついたÇerkez kemeriとも呼ばれる黒革のベルトを締める。このベルトにナイフや銃などの武器や銃手入れ用の油、狩猟用具などをつけて運ぶ。時計用の銀鎖 Köstek をベストの左から右につける。 Zıpka(Zivga)という脚部が細くぴったりしたタイプのŞalvarをはく。頭布とベスト、Zıpkaは全て同じ生地で、黒。SapukまたはSalenkと呼ばれる長靴をはく。
日本の結婚式でトルコ人が頭にネクタイを巻いて片側に垂らしホロンを踊っていたことがあり、日本人からは「酔っ払いの真似」と思われていましたが、この地方で特徴的な頭布Kabalak(Başlık)の真似でした ( *´艸`*)。
衣装について